『【出演者目線】アーティストがLIVEに出るときの心構えとは』

はじめに

記事を開いていただきありがとうございます。

この度はSTAR DUSTさんのブログにてコラムを書かせていただくことになり

威勢よくキーボードをバコバコと叩いている次第でございます。

コラムと言っても、『指輪物語』に出てくる気色の悪い元ホビットことでも無ければ

ウルトラマンに出てくる古代怪獣の事でもないので悪しからず。

今回のテーマは何かと言いますと「LIVEに出るときの心構えってなんぞや」ってことです。

普段、私がLIVEというものに出る際に気を付けている事なんかを

何個か項目ごとに、長々と、偉そうに、下目遣いを駆使しつつ書いていきます。

途中で気分などが悪くなりましたら、お近くのスタッフまでお声かけください。

 

歌詞間違いを恐れない

いきなり本題に入りますが、私が普段気にかけている事の一つ目は

”歌詞間違いを恐れない”ということ。

LIVEへ出演される皆様は一貫して、歌の練習をすると思います。

勿論、歌詞も必死こいて覚えるものと思います。私もそう。

ただ、それがどんなに練習を重ねたものであっても

その時の緊張感だったり、会場の雰囲気だったり、正直なところ歌詞なんて飛びます。

如何に歌い慣れている曲であってもです。

私の好きなヘヴィメタルバンド『聖飢魔Ⅱ』のデーモン閣下は御年10万と55歳になります。

そんなデーモン閣下は、ミサ(人間界でいうLIVE)の時、必ずと言っていい程歌詞を間違えます。

10万歳を超える悪魔でさえ歌詞が飛ぶんだから

20~30代の我々人間が完コピ出来ずに歌えなくたって何ら問題がないわけです。

寧ろ、「は?このステージだとこの歌詞が正しいし」みたいな気持ちでいいと思います。

正直なところ、演者側が思ってるよりもお客さんは歌詞間違いを気にしないです。

そりゃボーカロイドで有名な曲とかなら「あ、間違えたな」とかは思うかもしれませんが、その程度です。

歌詞を覚える、ちゃんとしっかり歌うのは大事なことです。

しかしながらプロのアーティストですら本番で歌詞を間違えるのですから

そんな気に病まずステージでは堂々としてるのが一番なのです。

 

ステージでの時間配分を気にする

本題に入る前に皆さんが良く出ているLIVEは基本的に出演時間が決まっていると思います。

STAR DUSTなら15分という出演時間が振り当てられてます。

この15分という持ち時間が1分オーバーしたら1分押します。誰が何と言おうと押します。

仮の話をしますが、一人が1分押し、その次の人も同様に1分押し…計15人が各一分以上押したとしましょう。

するとどうなるかはわかりますでしょうか。アーティストの出演時間以上の時間押すということになります。

そうなってくると、後ろに控えてる人達が巻いていかなければ行けない。

最悪の場合には三曲用意してた所を二曲にして演奏なりをしなきゃいけなくなります。

そうなると本当に最悪です。

まさに吐き気を催す邪悪。第六天の魔王。暗黒宇宙大皇帝。

とにかく最悪です。

じゃあそういう「嫌な、事件だったね…」と

某フリーのカメラマンみたいな台詞を回避するためにはどうしたらいいのかというのが今回の話。

15分という枠を効率よく回すには、ステージの計画を頭からお尻まで綿密に計画を立てれば良いのです。

計画を立てるといっても最初は簡単なものでいいと思います。

凄く大雑把に計画を立てるとすれば。

4分の曲を三曲歌うのならば合わせて約12分。

残り3分あるのでそれをMCに充てる。

こんな感じです。

もし三曲の合間合間でMCを挟むならそれぞれ1分30秒でMCになります。

MCで多く喋りたいと思うのであれば一曲減らせば7分をMCに充てることができます。

こういう風に、決められた時間と自分がやりたいことを照らし合わせながらステージの構成を立てていきます。

場合によっては転換込みで持ち時間15分という場合もありますので

その場合は転換の時間が頭とお尻で何分くらいかかるのか

それに伴って曲を決めたり、喋りたいことはどれくらいなのかを決めていきます。

因みに私は15分では三曲歌いますが、20分枠とかになった場合は同じく三曲にします。

25分の枠なら四曲。そんな感じです。

15分の枠でも場合によっては二曲にしたりして時間に余裕を持たせます。

ここをお読みの方で「でもお客さんと喋ってたら時間押すだろ!!」とか

「MCで時間とられるんだけど」とお思いの方もいると思います。

それに関しては次項で記載します。

MCを考える

前項でステージの構成を考えるということを書きました。

ステージで楽器を使わない人は転換の時間は余り必要じゃないかと思います。

そうなってくると15分丸々使えるわけですが、この15分で一番時間が不確定になるところがMCになります。

曲自体は時間が決まっていますので

セットリストを決めてしまえばその決めた時間は不変なものになります。

三曲合計して13分とかなら13分。音声トラブルとかがない限りはこの時間は絶対です。

ただMCだけは違います。

喋りたいことや、話し方、お客さんとの対話。色々な要素で時間がかかります。

正直な話、STAR DUSTに出演されてる方の大半以上はこのMCで時間を取られてます。

それによって時間が押します。

それじゃあどうするのか。

皆さんは仕事や学校でのプレゼンテーションの際、自分の伝えたい内容を明確に手順良く相手に伝える為にメモやカンペを考えると思います。

それと同じことをLIVEでも行います。

そう、MCの台本を考えます。

よく、その場の雰囲気、ノリとかでステージに立った時に行き当たりばったりでMCを考える方がいます。

そんなもん十中八九グダるよねって話です。

そうならない為に事前に「何を喋るのか」「どういう話で笑いが取れるのか」全て自分の言葉に直して台本を書きます。

勿論、台本を書くだけではダメですので、歌の練習と一緒でMCも一緒に練習します。

書きたいこといっぱいあって、めちゃくちゃ台本書いたとしても、それで15分過ぎたら意味がありません。

ですので、台本が出来上がったらMCの練習をします。

本番にステージ上で話すように、「今が本番です」のノリで練習します。

その際に、時間を図りながらやりましょう。

一曲目二曲目の間で喋るMCならその時間に収まるように。

もしオーバーしそうなら喋り方を変えるとか、文章を少し削ったり、色々工夫してみてください。

とは言ったもののLIVEというのは生ものになります。

その場の勢いだったり、お客さんのノリだったり、お客さんから変な振りを投げられたりと

色々な要素があって自分が考えてたMCに持っていけないことも多々あるかと思います。

しかし主導権をお客さんに渡してはステージが破綻してしまうので

強引にでも自分の言いたいことへ持っていったりというテクニックも必要となってきます。

それでも自分の思ったようにMCができない場合もあると思います。

答えに困るなーとか、喋ったはいいけど自分の思ってた様な反応にならなかったな時とか。

その場合も事前に考えておけばある程度の事に対処できると思います。

例えば水を飲むときに「水美味しい?」という質問をよくされてる演者さんが居ますが

それを自分がされた時はどうやって答えようか、そういう事も一緒に考えます。

何かを質問するMCの場合、挙手した人が多い場合、少ない場合の両方のMCを考えておけば問題なく話が続行できます。

このように、様々なパターンを予測して、事前に対策を立てておけば

MCで変な煽り方や振られ方をしても対処ができますし、リカバリーもできます。

ただ、全て台本通りにやるとお客さんから話を振られた際でも

味気ない感じになってしまうので、そこは柔軟に対応すればいいと思います。ケースbyケース。

このように少ない時間だからこそ、御座なりにせずにしっかりと考え

練習することによって見てる人も気持ちがいいですし

お客さんにも「この人は面白いな」と思ってもらえる可能性が高まります。

たかがMC、されどMC。

私は歌うのと同じくらいMCは大事なことだと思っているので、ちゃんとやった方がいいかなって思います。

MCは皆が思っているよりも難しいのだ。

練習の際に気に掛けること

皆さんは練習の際、歌詞とメロディーを完璧にする為に何回も歌ったり、身振り手振りをしながら本番さながらの練習をしてるもんだと思います。

でも、ただ歌うだけではなく、私は歌を録音して練習をします。

自分で歌いながら聞いているものと、第三者の観点から聞いたものって結構違います。

自分も時々「あ、この歌い方いいかも」と録音してみたの聴いてみたら全然思っていたものと違っていたことがあります。

録音した自分の音声を聴きながら

ブレスであったりとかダメな部分や改善したい部分をピックアップしながら練習すれば

より良いものが出来ると思っています。

次にライブパフォーマンスです。

これは自分の頭の中で

「こういう風に動こう」

「ああいう身振り手振りをしよう」

とかを考えると思います。

カラオケでもそれを実際にやりながら練習するかと思いますが

これも鏡など自分の姿が映るもので自分を見ながら練習しています。

理由は練習中の録音と同じ理由です。

お客さんに見てもらっているという意識

これは正直、コラムに書くことでもなく当たり前の事だと思うんですけど。

LIVEに出る上で一番大事な心構えって、お客さんに見てもらっているという意識だと思います。

「お客さんがお金を払って見に来てくれている」

「無料で見に来て貰ってたとしても、そこに来るまでの時間、交通費をかけてくれている」

「他の演者さんのお客さんの時間も同時に扱っている」

そういった意識が大事なんだと思います。

私も音楽活動自体は趣味でやっている人間です。

只、LIVEというものに出演し、ステージに上がった瞬間に自己満足だけの世界じゃなくなると思います。

見に来てくださる方のお金と時間を頂いて私はステージを見て頂いてます。

私だって、「見に来てよ!」って言ってる人のステージを見に行って

言葉には言い表せないほどの、名状し難きステージを見せられたら

正直そこまで行くのに掛かった時間やチケット代を無駄にしたなって思います。

ジョルノ・ジョバーナも「無駄すぎぃ!!!!!!!」ってブチギレると思います。

「趣味なんだから楽しくやらせろや」という意見もごもっともなのですが、何べんも言います。

LIVEはお金とそこに行くまでの時間というのが発生します。

15分2000円+ドリンク代500円って割とやべー金額です。

人によってはかなりの大金です。プラスで交通費もかかります。

それでも「見に来てよかったな」「2000円の価値ありだった」って思ってもらえる様に

我々LIVEに出る出演者は日々努力をしていかなければならないのです。

自己満足なんだから云々かんぬん言うのなら動画投稿だけしてろやって感じになります。

おわり

どうでしたかね。

めっちゃ長いコラムになってしまって読むのくそだるかったと思います。

でもLIVEに出る上での心構えっていうのはこれだけ大事なことなのです。

というかこれでも少ない方だと思います。

しかし、ここに記載したこと一つ一つ丁寧にやっていけば、必ずいいステージが出来上がると思います。

私も皆さんもお互いに頑張って、より良いライブイベントにしていきましょう。

ここまで読んでいただきありがとうございました。